業務フローごとに、流れの図、実際の操作、完了までの記録の順でまとめています。 掲載している画面はすべて、実機に実データを入力しながら撮影したものです。伝票番号も実際に採番された値です。
この資料では、業務の流れを3本に分けて紹介します。3本は別々のシステムではなく、同じ記録を共有しています。
出ていくお金の2本は、承認が関門です。稟議も出張も経費精算も、承認されてはじめて次の伝票に進めます。承認と同時に、支払の伝票も自動で立ちます。
入ってくるお金の関門は、受注と締結です。受注した商談だけが契約になり、締結した契約だけが請求になります。
そして3本の記録は、承認履歴・契約管理・支払管理・仕訳データの4つに集まります。
承認が関門になるのは、出ていくお金です。稟議・出張・経費の承認は同じ承認履歴に記録され、 対象区分で区別されます。段数や承認者は承認ルートマスタで管理するため、 申請の種類が増えても画面は変わりません。
契約の根拠は1か所にまとまります。購買契約は承認済の稟議から、 売上契約は受注した商談から選びます。締結済にならない限り、請求は起こせません。
支払う予定は1つの一覧に集まります。取引先への支払も、社員への仮払や経費精算も、 承認や検収が完了すると自動で作成されます。経理はその支払を確認して、振り込むだけです。
会計への受け渡しは1つの形式です。5種類の伝票が同じ列で並び、CSVで会計ソフトに取り込めます。 仕訳を手で起こす工程がないため、伝票と帳簿がずれません。
決裁した稟議をもとに発注し、納品された分を検収して、検収できた分だけ支払う流れです。 5つの伝票は、前の伝票を選ばないと作れません。承認のない発注や根拠のない支払は、操作として発生しない仕組みです。 橙の点線は、システムが自動で処理する部分です。
まず「申請・承認」タブを開きます。管理画面はどれも、左に業務メニュー、中央に一覧という同じ構成です。 新しい伝票は、一覧を開いて左メニューの新規登録から作ります。
タブを開くと一覧が表示されます。左メニューの「稟議新規登録」から、新しい申請書を作ります。 左の階層ツリーは状態別・種別別に自動で集計されるため、下書きや差戻しの見落としも防げます。
空の伝票が開きます。金額の欄はグレーで、入力できません。 総額は明細の集計で決まるため、起案者が金額を直接書くことはありません。
申請種別マスタが、そのまま選択肢になります。種別を選ぶと、承認ルートと支払要否が決まります。 今回の購買稟議は発注を経由するため、稟議からは支払が立ちません。 申請書の種類を増やしたいときは、このマスタに1行足すだけです。
経費科目をピッカーから選ぶと、費目・勘定科目・税区分・単位がまとめて入ります。 数量と単価を入力すれば、税額と合計は自動で再計算されます。
ノートPC 12台 × 178,000円を入力すると、ヘッダの申請金額は 2,349,600円 になりました。
承認者は自分の段を1行追加します。何段目で、誰が、いつ、どんなコメントで承認したかが残ります。 履歴は追加と訂正のみで、削除はできません。
最終段の承認が入ると、決裁日・決裁者・申請ステータスがヘッダに自動で書き込まれます。 ステータスを直接動かす操作は、用意していません。承認の記録を通らない状態変更を防ぐためです。
「発注・検収」タブに移ります。手順は同じです。一覧を開いて、左メニューの「発注新規登録」から作ります。
発注ステータスとは別に、システムが積み上げる検収状況の列があります。 右端の発注残は、まだ検収していない金額です。フッターに合計が出ます。
空の発注伝票です。金額の欄は、ここでも入力できません。 納期を入れると、納期残日数とアラートが自動で付きます。
ピッカーの見出しは「承認済の購買稟議から選択」。候補に並ぶのは、承認済の購買稟議と外注委託稟議だけです。 下書きや承認中の稟議は出てきません。決裁前の発注は、画面の操作として作れない仕組みです。
品名・数量・単価を入れて保存し、発注ステータスを「発注済」にします。 明細には検収済数量と残数量の列があり、検収を入れるたびに積み上がります。
この画面は、検収まで終わった後の状態です。検収済 12、残数 0 になっています。
同じ「発注・検収」タブで検収一覧を開き、左メニューの「検収新規登録」から作ります。
検収は、発注と1対多の関係です。分納の場合は、1つの発注に複数の検収が並びます。
検収日には、今日の日付が入ります。取引先はこれから選ぶ発注から写るため、入力は不要です。
見出しは「検収していない発注から選択」。候補は、発注済でまだ検収が残っている発注だけです。 検収が完了した発注は一覧から消えるため、二重検収は起こりません。
明細は手入力ではなく、選んだ発注の明細から選びます。 発注数量・検収済数量・残数量が並ぶため、分納の途中でも残りを確認しながら選べます。 チェックした行がそのまま検収明細になり、数量には残数量が入ります。 発注していない品目や、発注数を超える検収は選べません。
合否を確認して、検収ステータスを「検収済」にします。人の操作はここまでです。
保存すると、3つの処理が自動で動きます。発注明細の検収済数量が12になり、発注の検収状況が「検収完了」に変わり、 支払管理に取引先支払が1件作成されます。支払の起票を、経理が探して回る必要はありません。
発注側の検収タブに、いま作った検収が1行積み上がりました。
「支払管理」タブに移ります。ここだけは、新規登録を使いません。検収が完了した時点で、支払の伝票はすでに立っています。
発注・経費精算・出張仮払・支払依頼が、区分をまたいで1つの一覧に並びます。 今週いくら出ていくかをこの画面で確認し、期限超過から順に処理できます。 先頭の PY2609180001 が、いまの検収で自動作成された支払です。
備考には「発注 PO2608190001 の検収完了により自動生成」と入っています。 支払予定日は、検収日と取引先の支払サイトから計算されます。振り込んだら支払日を入れて「支払済」にします。
支払済にすると、仕訳データに「買掛金 / 普通預金」の1行が追加されます。転記の作業はありません。
「会計連携」タブの仕訳データは、伝票から自動で生成されます。伝票を直せば仕訳も変わるため、修正漏れが起きません。
同じ発注から出た2行が、伝票区分と伝票IDつきで並びます。 検収で費用が計上され、支払で買掛金が落ちる流れを1画面で追えます。期間で絞って、CSVに出力できます。
人が入力したのは、件名・数量・単価と状態の切り替えだけです。 採番、集計、次の伝票の起票、仕訳の生成は、すべてシステムが処理しました。
業務の流れは一方通行ですが、記録は双方向にたどれます。どの伝票からも、根拠になった伝票と、 そこから生まれた伝票をボタン1つで開けます。矢印の文字は、実際の画面のボタン名です。
仕訳の1行から、支払の理由を決裁まで遡れます。監査や問い合わせのたびに、担当者へ経緯を確認する手間がなくなります。
出張の原則は、行く前に決裁を取り、仮払を渡し、帰ってから差額を精算することです。 日当と宿泊費の上限は、旅費規程マスタから自動で入ります。 仮払と精算差額の支払伝票は、承認と同時にシステムが作成します。 誰にいくら渡したか、いくら返すかを経理が突き合わせる作業はありません。
「経費・出張」タブを開きます。一覧を開いて、左メニューの「出張新規登録」から。手順はFLOW 01と同じです。
出張には2つのステータスがあります。出張の進み具合と、申請の承認状況です。 決裁は下りたがまだ精算していない出張を、左のツリーで拾えます。 右端の仮払希望額は、会社がこれから立て替える金額です。
空の出張申請です。旅費の枠は、まだすべてゼロです。 日数・日当・宿泊費上限は自動計算のため、手で入力する欄ではありません。
訪問先・用務・移動区間・宿泊地を、1日1行で書きます。この日程がそのまま出張報告書になるため、 帰着後に報告書を別に作る必要はありません。
保存すると、ヘッダの旅費が埋まります。日当は2,500円 × 3日で 7,500円。 宿泊費上限12,000円とあわせて、申請者の役職に応じた旅費規程マスタの値です。
役職が変われば、日当も宿泊費上限も自動で変わります。規程の改定は、マスタを1行直すだけです。
承認ルートはR05の2段です。FLOW 01の稟議と同じ形で、承認者が自分の段を1行追加します。
最終段の承認が入ると、仮払希望額 60,000円の支払伝票が自動で作成されます。 出張者が経理へ依頼に行く必要はありません。支払予定日には、出発日から逆算した日付が入ります。
同じ「経費・出張」タブで経費精算一覧を開き、左メニューの「経費精算新規登録」から作ります。
申請ステータスとは別に、精算ステータスの列があります。 承認は下りたがまだ振り込んでいない精算が「精算待ち」として残るため、 出張者を待たせている案件がひと目で分かります。
空の経費精算です。経費合計・消費税額・精算差額はグレーで、入力できません。 明細の集計と、選んだ出張の仮払額から自動で決まります。
見出しは「出張の選択」。候補は、承認済でまだ精算していない出張だけです。 選ぶと出張先・仮払希望額・申請者・部門が写ります。精算済みの出張は候補に出ないため、二重精算は起こりません。
経費科目を選ぶと、勘定科目と税区分がマスタから入ります。交通費と宿泊費は課税10%、出張日当は不課税。 この区別を、担当者が覚えておく必要はありません。
実費は 61,260円。仮払60,000円との差額1,260円が精算差額になり、精算区分は「追給」と表示されます。
承認ルートはR04の2段です。ここでも承認者が、自分の段を1行ずつ追加します。
最終段の承認で、差額1,260円の支払伝票が作成されます。作成されるのは差額分だけです。 仮払で渡した60,000円を、二重に払うことはありません。
「支払管理」タブに移ります。仮払も精算差額も、承認の時点で伝票が立っています。 FLOW 01の取引先支払と同じ一覧に並ぶため、経理が確認する場所は1つです。
支払区分は「仮払」、支払先区分は「社員」です。 備考には「出張申請 TR2608190001 の承認により自動生成」と、支払の由来が入っています。 振り込んだら支払日を入れて「支払済」にします。
こちらは支払区分「経費精算」、金額は差額の1,260円です。備考には、経費申請の承認により自動生成された旨が入っています。
支払済にすると、経費精算の精算ステータスが「精算済」になります。 あわせて出張申請のステータスも「精算済」に変わり、出張が1件閉じたことが一覧から分かります。
「会計連携」タブの仕訳データに、この出張から出た6行が並びます。 仮払がある精算は仕訳が3段階になり、手作業ではもっとも間違えやすいところです。
下から順に読むと、お金の動きがそのまま追えます。
08/19 未払金 60,000 / 仮払金 60,000。仮払で先に渡した分を充当します。
08/21 仮払金 60,000 / 普通預金 60,000。出発前の仮払の振込です。
08/24・08/26 旅費交通費 計61,260 / 未払金。実費の費用計上です。
08/26 未払金 1,260 / 普通預金 1,260。差額の振込です。
結果として、仮払金と未払金の残高はどちらも0になります。渡したまま精算されない仮払金が、帳簿に残りません。 充当の仕訳もシステムが起こすため、経理が消し込みを覚えておく必要はありません。
人が入力したのは、件名・日程・実費の明細と状態の切り替えだけです。 日当は規程から、支払伝票は承認から、仕訳は伝票から、すべて自動で生成されました。
出張と経費精算は1対1でつながり、どちらの画面からも相手を開けます。 出張からは仮払の支払へ、経費精算からは差額の支払へたどれます。矢印の文字は、実際の画面のボタン名です。
精算の進み具合を聞かれたら、出張一覧のステータスを見れば答えられます。 承認待ちか、振込待ちか、振込済みかが1列で分かります。
ここまでの2本は、出ていくお金でした。最後は入ってくるお金です。 商談、契約、請求、入金と流れますが、最後の矢印だけ右から左を向きます。 入金は先に着金し、あとからどの請求に充てるかを決めるからです。 1本の振込が複数の請求にまたがるため、入金だけが消込の明細を持ちます。
「営業支援」タブです。このフローの特徴は、伝票になる前の段階を持つことです。 受注前から、いくら入りそうかを数字で追えます。
商談ステータスと受注確度が並びます。右端の加重売上見込は、提案金額 × 受注確度です。 確度を動かすと見込みの合計も変わるため、Excelで予測表を別に作る必要はありません。
取引先と担当者は、マスタから選びます。消費税額・提案金額税込・加重売上見込は自動計算のため、入力できません。
受注が決まったら、ステータスを「受注」に、確度を100にします。 加重売上見込は、3,360,000円から 4,200,000円 に変わりました。 失注の場合は理由と競合先が残るため、負けた案件の分析にも使えます。
「契約管理」タブに移ります。契約の画面は購買契約と共通で、契約種別によって役割が分かれます。
契約ステータスとは別に、更新アラートの列があります。 自動更新の契約を、通知日数の分だけ手前で知らせる仕組みです。 左メニューの「契約更新アラート」は、この列で絞った一覧です。
空の契約です。契約期間月数・更新期限日・月額換算は、開始日と終了日から自動で計算されます。 契約金額も、明細の集計で決まります。
契約種別マスタが、そのまま候補です。種別を選ぶと契約区分が決まります。 今回は個別売買契約なので、売上契約です。この区分が、請求を起こせる契約かどうかを分けます。
見出しは「受注した商談から選択」。候補は受注した商談だけで、提案中や失注の案件は出てきません。 購買側の契約なら、上の段の「承認済の稟議から選択」を使います。 売上は受注、購買は決裁と、根拠の置き場が対になっています。
選ぶと商談件名が写り、「商談データへ」が押せるようになります。値が入るまで、ボタンは灰色のままです。
項目・数量・単価を入れると、消費税額と契約金額が積み上がります。 契約金額税込 4,620,000円 は、商談の提案金額と一致しています。 ステータスを「締結済」にすると、締結日が自動で入ります。
「請求・入金」タブに移ります。請求一覧を開き、左メニューの「請求新規登録」から作ります。
請求ステータスとは別に、入金が積み上げる回収ステータスの列があります。 右端の請求残高は、税込から入金済を引いた値です。いま回収できていない金額を、この1画面で確認できます。
空の請求書です。金額の欄は、すべて自動計算です。 税率別の内訳の枠があり、課税10%・課税8%・非課税を分けて集計する場所が最初から用意されています。
見出しは「締結済の売上契約から選択」。締結前の契約や、購買契約は出てきません。 選ぶと取引先と支払条件も写るため、契約と請求で相手が食い違うことはありません。
明細は、勘定科目を選んで追加します。科目を選ぶと既定の税区分が入り、行ごとに変更できます。 今回は売上高 3,700,000円と、立て替えた印紙代 20,000円です。
保存すると、税率別の内訳がヘッダに集計されます。課税10%対象 3,700,000円、消費税 370,000円、非課税対象 20,000円。 適格請求書に必要な区分記載が、明細を入れるだけで揃います。インボイス登録番号も、マスタから入ります。
「発行済」にすると発行日が自動で入り、この時点で売上が計上されます。 回収アラートは「予定」になり、入金予定日を過ぎると「期限超過」に変わります。
ここが、このフローで矢印が逆を向くところです。振込は、請求書の単位では届きません。 取引先は、当月分をまとめて1本で振り込んできます。そこで、まず入金を登録し、そこから請求を選んで充てていきます。
入金ごとに、消込ステータスと未消込額を持ちます。 着金したが、まだ請求と結びついていないお金が「未消込」として残ります。通帳と帳簿の差異を、ここで解消できます。
通帳を見ながら、取引先・入金日・入金額を入れます。手数料差引額は、先方が振込手数料を引いて振り込んできた分です。 入金額と合わせた入金合計が、本来の請求額になります。
今回は、振込額 5,948,340円と差し引かれた手数料 660円で、入金合計は 5,949,000円。この時点では全額が未消込です。
見出しは「未回収の請求から選択」。候補は、この取引先の残高がある請求だけです。 全額入金済みの請求は候補から消えるため、二重の充当は起こりません。
選んだ請求が消込明細になり、充当額には残高が入ります。 今回の振込は、7月分の追加開発 1,859,000円と今回の請求 4,090,000円の2枚にまたがりました。
保存すると、両側が同時に動きます。入金は未消込額が0になり、消込ステータスが「消込済」に。 充てた2枚の請求も、それぞれ回収ステータスが「入金済」に変わります。 請求書の控えに手で印を付けて回る作業はありません。
「会計連携」タブの仕訳データを、取引先で絞って追います。
下から順に読むと、こうなります。
08/19 売掛金 4,070,000 / 売上高。請求の発行で売上を計上します。
08/19 売掛金 20,000 / 立替金。印紙代は売上ではなく、立替金の回収です。
09/30 普通預金 / 売掛金が2行。充てた請求ごとに、1行ずつ入ります。
09/30 支払手数料 660 / 売掛金。先方が差し引いた手数料は、当社の費用になります。
手数料の660円まで仕訳になるため、売掛金の残高はちょうど0になります。 振込額と請求額のずれで消し込めない、という状況が起こりません。 税区分も明細のまま乗るため、消費税の集計にもそのまま使えます。
人が入力したのは、件名・金額・明細と、通帳を見て打った着金額だけです。 見込みの集計、税率別の内訳、請求残高、回収ステータス、仕訳は、すべてシステムが出しました。
請求は、契約を通して商談につながっています。入金は請求を消込明細で持つため、 入金から請求、契約、商談へと遡れます。矢印の文字は、実際の画面のボタン名です。
3本のフローは、支払管理・契約管理・仕訳データを共有しています。 出ていくお金と入ってくるお金が同じ帳簿に載るため、資金繰りの確認に集計をやり直す必要はありません。